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親が一階なんて誰が決めた!(1)

2020年1月31日「金曜日」更新の日記

2020-01-31の日記のIMAGE
まず最初にご紹介したいのは、私自身の建築家人生の転機ともなった家、神奈川県逗子市の高台に建つ山崎さん宅である。この一家の柱は、何といっても「肝っ玉母さん」こと達子さんだ。逗子市内で会社を経営する達子さんは、葉山の海を見下ろす高台に、高齢のご母堂と二人で暮らしていた。しかし、仕事が多忙なため家事にまで手が回らず、藤沢市内に居を構える娘の晴美さんが手伝いに通う「半同居」生活となっていた。が、晴美さんとて二人の幼児を抱える主婦である。藤沢と逗子を行き来する毎日は楽ではない。「それなら、いっそ」と同居話が浮上した。高齢でも元気な祖母と、外へ出てバリバリ働く母親、娘夫婦にかわいい孫娘二人。みごとな女系ファミリーである。今の時代、四世代同居は珍しいとはいえ、理想的な組み合わせに思えた。今までの家よりさらに見晴らしのよい土地も手に入った。ところが、難問の種は意外なところにあった。達子さんがいきなり宣言したのである。「私は二階がいいわ。おばあちゃんと二人で上に住む」晴美さんにしてみれば青天の騨霧だ。「何言ってるの。二世帯住宅といえば、子どもが上、親は下に決まっているじゃない」「そんなこと、誰が決めたの?二階のほうが海もよく見えるんだから、私が二階よ。だいいち、頭の上から孫たちの走り回る音が聞こえるなんて、まつぴらご免だね」すったもんだの挙げ句、達子さんの主張どおり、母と祖母が二階、娘一家は一階と決定した。しかし、この二階争奪戦は第一ラウンドに過ぎなかった。達子さんが続いてこんな宣言をしたのである。.階と二階はきっちりと分けることにしましょう。私は毎日仕事で疲れて帰ってくるのだから、家では静かに休養したいのよ・キッチンも風呂も別々。もちろん玄関も別にして、外階段で気楽に出入りできるようにしてちょうだい!」

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