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嫁の実家にとられるくらいなら(2)

2020年1月28日「火曜日」更新の日記

2020-01-28の日記のIMAGE
邦夫さんが今の会社に通勤しようと思えば二時間近くかかるに違いない。「会社はどうするつもりなんだ!とうてい通いきれるものじゃないだろう」「背に腹はかえられないんでしよ。とにかく有香さんの実家なら、土地だけはいくらでも使っていいって言うんだから」嫁の実家に一人息子をとられてしまうかもしれない。予想もしたことのない事態だった。夫の焦りを察したのか、妻の悦子さんがたたみかけるように攻めたてる。「ねえ、あなた。どうするのよ・あっちに行っちゃったら、邦夫、もう二度と私たちのところに帰ってこないかもしれないわよ・そうなったら私たちどうするの?どっちかが寝たきりにでもなったらどうなるの?」三日後の日曜日、江藤さんは息子夫婦を呼んで同居の申し出を受け入れた。今ある家を壊して二世帯住宅を建てる。建築費用は半分ずつ負担。急転直下の解決だった。はたして、ほんとうにこれでよかったのか、不安がないわけではない。しかし、心の片隅で安堵していることも事実だ.そもそもあの場合、他に選択肢はあったのだろうか1.こうした経緯は江藤さんに限ったことではない。息子や娘と同居する親世帯のほとんどが、同じようなゆらぎを経験している。息子や娘のほうでも、「これしかない」と自分に言い聞かせ、無理に納得している部分がある。たいていの同居計画は、こんなふうにあわただしく、勢いにまかせて進んでいく。「同居なんか」と公言していたはずの人が、いつのまにか同居の必要性を語っている。ひょっとしたら、そんなことでもなければ踏み切れないのが「同居」なのかもしれない。しかし、ほんとうにそれでいいのだろうか。

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