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売主が「大手」なら安心って本当?

2018年6月19日「火曜日」更新の日記

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耐震強度偽装事件が起きて以来、「大手なら安心できる」と考える傾向がますます強まっているようですが、不動産コンサルタントの立場からすると、そう一概にはいいきれません。実際、ある事務所のコンサルティング現場経験では、設計や施工の品質に大手・中小の違いがないことを実感しています。建物の品質は、適切な設計と、それに基づいた現場での「施工精度」にかかっています。売主が大手であっても、中小であっても、現場で施工するのは下請けの業者さん。さらにいうと、同じ売主の別のマンション、それどころか同じマンションであっても、棟や住戸などによって精度に差が出るケースもあります。つまり建物の品質は、「大手か、中小か」ではなく、現場で施工する職人さんの腕に大きく左右されるのです。また、物件の施工精度にばらつきが出る大きな要因となるものに、「工期」の問題があります。時間的な制約が仕上がりに大きく影響するのです。通常半年はかかる工事なのに、4ヶ月の工期しかないとすれば、完成度を高めていく最後の仕上げにしわ寄せがきてしまうのは当然でしょう。こしたケースが多発するのが、売主の決算が集中する3月完成物件。売上に計上するために購入者へ物件の引き渡しを急ぐ傾向があるので、注意が必要です。一般論として、ワンフロアーあたり1.2ヵ月×階数くらいが工期の目安といえます。「工期のゆとり」については、ぜひ確認しておきましょう。仮に品質に違いはないとしても、万が一の際は、売主が大手の場合は経営上の体力があるので保障面で安心できる、という側面はあるでしょう。売主の経営状態、財務体質を確認してみるのも、リスクヘッジとして大切であることはいうまでもありません。人、姿勢、個人的な価値観で選ぶ結局のところ、物件の品質の良し悪しに関しては、会社というよりも、その現場にどんな人が携わっているのかが重要です。マンションは会社で選ぶのではなく、一つひとつの物件のコンセプトや、携わる人々の姿勢を感じ取ることが必要なのです。それらは、いくつかのモデルルームを回ってみることで相対比較できるでしょう。力の入れどころ、こだわり部分もわかるはずです。人口減少、住宅選びの多様化等々、マンション市場をとりまく環境や価値観が激変しつつあるいま、もはや横並びでは通用せず、各社独自性を打ち出し、一層の経営努力をすることが必要不可欠になっています。おそらくデベロッパーも多様化していき、長期的には淘汰もされていくでしょう。それぞれの姿勢やコンセプト、力の入れどころという個性や特徴を見極めて、あとは自分の好き・嫌いという個人的かつ絶対的な価値観でマンションを選ぶ時代なのです。

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