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空の孤島が、空のスラムになります(2)

2020年2月6日「木曜日」更新の日記

2020-02-06の日記のIMAGE
【近未来=ロビーで寝袋】
3・11のとき東京の幾度は5強でした。そのときライフライン寸断により、自宅のあるフロアまで上れず、寝袋などを使ってエントランスで宿泊したケースもあるとか。高級マンションの定番、大理石の床に豪華シャンデリア。余震が起これば落下して人命を奪う。避難の拠点や寝場所を奪う。凝らした意匠が牙をむく。いわゆる高級マンションほど、そんな皮肉な事態も待っています。
【近未来=値崩れ一】
街区が液状化の被害を受けたとしましょう。傾斜した電柱が建物を直撃。地割れ。陥没。噴砂。波打った道路の各所で立ち上がったマンホール。被災した高層マンションの住民に実施したアンケート。これからは何階で暮らしたいです。かという旨の質問。大多数のかたの答えは1階~5階でした。
高級住宅街として君臨した浦安市。3.11のとき的85パーセントが液状化しました。断水はおよそ3万3000世帯。不動産価格は降下し、街を離れる人も出ました。
【近未来=バベルの塔】
マンションの管理は住民の多数決で決まっていきます。大規模になるほど合意形成は困難。そして上層住民と下層住民の不寛容。高層マンションの場合、収入の差や意識の差も大きいためいっそうハードルは上がります。たとえば区分所有法でよく登場する5分の4の合意という条件の場合。1000戸のうち800戸のハンコがいります。現実的ですか。
ある専門家の証言では、たとえば「ワンルーム混在の物件で賃貸に出しているオーナーが多い。リゾートマンションでオーナーが住んでない。こんな場合の合意形成は、ほぼ不可能です。
【近未来=空のスラム】
着実に経年劣化が進行し、維持コストは急激なカーブを描きます。地震疲労の蓄積。たとえば免震装置の積層ゴムのアイソレーター。交換時期も費用も不明です。しかも多くの場合、最大容獄で竣工しているため建て替えという手も使えません。資料をチェックしていたら、管理会社のホンネが新聞に載っていました。「いずれは破綻する物件も出るでしょう。建物も世帯数も大きすぎる」(朝日新聞朝刊/2008年11月4日)

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