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一○○○組以上の血しぶきと感動(1)

2020年1月29日「水曜日」更新の日記

2020-01-29の日記のIMAGE
私の事務所ではこれまでに二○○○軒近い住宅の新築やリフォームをお手伝いしてきたが、ほぼ三分の一、つまり五○○?六○○軒は同居住宅だった。同居住宅の場合、その家族はたいてい二組の夫婦で構成されている。つまり私は、同居問題に関して、合計一○○○組以上の夫婦のホンネとタテマエをお聞きし、怒りや悲しみを目撃し、ときには「血しぶき」を浴びてきた。だからこそ、確信をもって言える。同居はたやすいものではない。同居はきれいごとではすまされない。一方で私は三○年も前から、親しい建築家仲間と「日本住改善委員会」なるグループを組織し、住宅に関する相談ごとに応じてきた。思い出せば最初の頃、相談内容でもっとも多かったのは欠陥マンションに関する不満や不安だった。しかしここ一○年ほどは、何といっても同居問題である。なかでも、息子夫婦や娘夫婦と同居したおばあちゃんからのSOSが目だって増えている。グチや嫁の悪口を聞いたり、話し相手になってあげるだけで解決するケースも多いのだが、なかには深刻な事例もある。極端な場合、親夫婦が実の息子を訴えたケースもあった。息子夫婦が勝手に親の家に転がり込んできてずるずると同居を始め、いつのまにか日常の生活費から電話代、光熱費、税金まで親がかり。そのうえ、親の了承も得ずに増改築の計画を進めたため、思いあまった親夫婦が退去命令の仮処分申請に踏みきったというのである。こんなニュースを新聞で読めば、特異な例だと思われるかもしれない。しかし、同居した子夫婦が経済面で自立せず、親夫婦が困りはてるケースはじっに多い。二世帯住宅に住みながら、一階の親夫婦が酸欠で死亡したことに二階の息子夫婦が何週間も気づかなかったという事件もあった。これとてさほど珍しい状況ではないだろう。

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