高い格付けをめざす
2018年6月17日「日曜日」更新の日記
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- 証券化の最大のメリットは、こうした手間と工夫を加えることによって、高い格付けをめざすことができる点にあります。発行会社の格付けが投資適正を欠くほど低水準であっても、CBOは高い格付けを得ることが可能なのです。単独では投資家に売却が困難な社債でも、CBOなどにまとめて格付けを高めれば、消化できる場合が少なくありません。実際には銀行の貸し渋りなどによって、資金調達に問題が生じた企業が取り組む場合が多いようです。このため、利回りは単独の社債よりも高めに設定される傾向があります。基本的に、金銭債権には証券化できない債権はありません。原保有者に証券化のインセンティブがあり、投資家に受け入れられれば、どんな金銭債権でも証券化は可能です。そればかりか、金銭債権は人工的に投資適格条件を容易に高めることができるだけに、他の債権よりもむしろ証券化が容易ともいえるのです。まず、金銭債権は個々の独立した債権をまとめてプールします。プールによって極力、債務の不履行リスクの分散を図ります。これでも足りない場合に、さまざまな信用補完措置を組み込みます。信用補完措置としては、第三者による保証、プールの優先部分、劣後部分への分割などが考えられます。
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